豆腐屋の娘

【2004年05月10日】

 2代目弘二は私とつねちゃんの父です。電気屋だったという父なのに、私は豆腐屋の父しか知りません。
 私も結婚前までは「つねちゃん」あるいは「つね」と呼ばれ、「ねぇ、ねぇ、何つねこ?」ってよく姓を聞かれたものです。「ちゃう、ちゃう、つねは恒岡のつねで、名前は由利子・・」というと、私のイメージからはかわいすぎる名前なので、皆あっけにとられていました。「つねこ・・の方が似合う・・」と。
 さて、この由利子の「利」は、両親の想いがこもっています。実は、両親にはお金がなかった。豆腐屋が軌道にのるまでに私が産まれ、おむつを買うお金もなかったから「この子だけには利益がまわってきますように」というわけです。
 小さいながらに、父の豆腐屋魂は、目に焼きついています。豆腐好きの人なら当たり前かもしれませんが、豆腐はまず匂う。豆の匂いがどれくらいするか。そして、お皿にのせ、箸のかかり具合を見ます。やわらかさを確かめるのです。それから、何もつけずに吟味し、その後は、醤油をかけて食べます。毎日の豆腐の出来具合をこうして確かめるのはもちろんのこと、どこに出かけても豆腐や油揚げを買い、持ち帰ってはよその豆腐がどんな味なのか、値段と見合っているかの研究です。
 豆腐屋は、ご存知の通り、朝が早いです。前の日に明日の豆をつけます。豆の料をどのようにして決めるかというと、注文の分を頭に入れ、それにプラスアルファは、お天気です。
 夏は、天気がいいと冷奴、それに農繁期には、手軽に調理ができ栄養のある冷奴、冬は、寒いと鍋物というように、お天気に左右されるのです。
 さて、機械化やスーパーでの販売が進んだ今は、どのようにして豆の量を考えるのでしょうか?つねちゃんに答えてもらいましょう!

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