『居場所』

【2005年04月17日】

 今年の桜は、雨に会うことも風に当たることもなく綺麗なまま散りました。落ちた花びらさえ、道路をピンクに染め、最後の最後まで私たちの目を楽しませてくれました。
 そんな心躍る春で新学期が始まったばかりなのに、私の住む街では中学生が学校内で自殺するという衝撃的なニュースが入ってきました。ここまで大切に育てた親御さんの気持ちはどうなのか、周りのこども達のショックは如何ほどか・・と心が痛みました。本当の理由はわかりませんが、いじめがあったかも?という報道もされています。
 学校でのこども達の『居場所』は、机と椅子が揃っているだけではありません。そこに自分を理解してくれる人がいるということです。昔から歌われるように「友達100人」というのは無理だと思うのですが、本当にひとりでいいのです。自分をまるごと受け入れてくれる人がいれば、そこは自分の『居場所』になるのです。家庭でも、自分のいいところも悪いところも理解してくれて受け入れてくれる家族がいる、そこが自分の最高の『居場所』だと思うのです。
 私は、故郷を遠く離れて暮らしています。故郷に近づくと、景色や匂いがなつかしく自分の育った街だと思います。そして、そこには家族がいて、まだ自分を迎え入れてくれる人がいるからこそ、ここも自分の『居場所』だと思えるのです。その上、しばらく会っていなかった人との再会があれば一段とそう思います。小さい時に「こども会」や「学校」のお世話役だった‘おっちゃん’や‘おばちゃん’がいて、私を名前で呼んでくれる。嫁いで慣れた場所も自分の『居場所』になれば、生まれ育ったところも私の『居場所』なのです。『居場所』だと感じるところには、必ず『人』がいるのです。人と関わることが面倒くさくなって、人と接することなく物事が進む時代になりましたが、それだけでは生きていけないのが『人』なんだと思います。

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